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相続法改正 大きく変わるポイント第4回(2020/8/17)

第1回から第3回まで、改正された相続法について簡単に大きく変わるポイントを説明してきましたが、今回が最後となります。

⑦遺留分制度の見直し
 これまでは、遺留分(一定の範囲の法定相続人に認められる最低限の遺産の取り分のこと)について遺留分侵害額請求をしたものの、その遺産に不動産があった場合などは、その不動産を共有する形となりトラブルのもとになることが多くありました。
 今回の改正法によって、侵害されている遺留分は金銭によって支払ってもらえるようになりました。これによって不動産の共有関係が当然に生ずることを回避することができたり、遺贈や贈与の目的財産を受遺者に与えたいという遺言者の意思を尊重することができます。
 また、生前贈与の範囲も改正され、相続開始前10年以内のものに限り、遺留分算定の財産に加えることになりました。

⑧特別の寄与の制度の創設
 たとえば長男の妻などが、献身的に義理の父の介護を行ってきても相続権はないため義理の父の死後に財産を取得することはできません。しかし、介護をしてきた長男の妻は相続人に対して金銭の請求ができるようになりました。これはあくまで金銭請求できる権利ができることにとどまるため、いくらもらえるのかなどトラブルになるリスクもあるので、遺言書や生前贈与などでの準備も場合によっては必要となります。